今回から全5回に渡りレッドストーン回路の解説と、ちょっとしたテクニック、Tipsなどを紹介していきます。
レッドストーン鉱石を邪魔者にしか思ったことのない初心者の方から、ある程度回路を使って機械を動かすことは出来るものの、悩むことが多い中級者の方を対象としています。
今回は初回なので基本的な回路の設置などになりますが、次回以降、論理回路なども扱い、最終的にはフリップフロップ回路くらいまで扱います。

なお、レッドストーン回路はいくら文章を読んでも実際に自分で作ってみないと理解しづらいことがあります。この解説と一緒に、実際に作って動かしてみることをお勧めします。

更新履歴
2011年10月16日 論理回路などの「論理」を「理論」と書いていた恥ずかしい誤字を修正

第1回 レッドストーン回路とは
回路の関連パーツと用語
動力とオンとオフ
レッドストーン回路の基本的な接続
レッドストーン回路の制限と法則
回路の延長方法
スイッチから回路への接続
回路から機械への接続
ワイヤーとスイッチは1ブロックを占めていると考えよう
機械がオンの状態かオフの状態かを見定めよう
接続での注意とバグ
Tips
参考

レッドストーン回路とは

レッドストーン回路とは、マインクラフト内に機械的な要素を組み入れ、さまざまな操作を自動化したり、遠隔から操作したりすることが出来るようにする仕組みです。

例えば、ドアのように殴って開くものを、レッドストーン回路で繋ぐことで、自動ドアにしたり、トロッコ鉄道の線路の分岐を遠隔から操作したりできます。ピストンなどと組み合わせることで、ブロック自体を動かすことのみならず、そこから派生する水流などもコントロールすることもでき、農業の機械化なども可能です。

また、レッドストーン回路はただ単に機械のオン/オフを操作するだけに留まらず、複雑な論理回路などを組むことも出来ます。それによって特定の条件のみ動作する機構や、繰り返し動作する機構、状態を記憶しておく機構、などなど複雑な装置を作り上げることができます。


回路の関連パーツと用語

詳しい解説は後ほど行いますが、レッドストーン回路に関連するパーツの簡単な紹介と、用語を予め書き出しておきます。
用語は、大体慣例に従ってますが、元々が英語の為に、訳者によって異なることがあると思いますので、本解説で使うものをまとめておきます。
レッドストーンパウダー パウダーと略したりもします。レッドストーン鉱石を壊した後にゲットできる赤い粉。
レッドストーントーチ トーチと略したりもします。レッドストーン回路を制御する為の不思議なパーツです。
レッドストーンリピーター リピーターと略したりもします。レッドストーン回路を延長させたり、遅延を制御する為の便利なパーツです。
スイッチ 入力装置とも言われますが、ボタンやレバー、感圧板(感圧スイッチ)、またトロッコで使うディテクターレールのことです。レッドストーン回路をオンにしたりオフにするのに使います。
機械 出力装置とも言いますが、ドアやハッチ、ピストン(スティッキーピストン)、ディスペンサー、音ブロック、ブースターレール。広義ではT字分岐の線路、TNTなど、回路によって動作するものを言います。
ワイヤー レッドストーンパウダーを地面に設置したもの。
動力 回路に流れる力の事です。後述しますが電流のようなもの。
オン/オフ 回路の動力の状態。オンが動力が流れている状態、オフが流れていない状態。
動力源 動力の発生源。スイッチやレッドストーントーチなど。


動力とオンとオフ

レッドストーン回路には動力が流れます。私たちの日常の電子回路における電流と同じようなものと思っていいです。

回路には2種類の状態があり、動力が流れている状態をオン、流れていない状態をオフと呼びます(他にも 1 と 0、真 と 偽、true と false などの呼び方もあります)

オンの場合は、ワイヤーが赤く光り、何か有害そうなぼわぼわしたものを放出します。オフの場合は、暗い状態で何も発しません。レバースイッチと接続してみると分かりやすいと思います。

なお、動力の発生源を動力源と言います。一般的にスイッチや後述するレッドストーントーチが動力源となります。


レッドストーン回路の基本的な接続

レッドストーンパウダーの設置可能場所

パウダーを持ってブロック上で右クリックで設置すると赤い線が乗ります。隣にも同様に設置すると二つの線は自動的に繋がります。この線のことをワイヤーと呼びます。
ワイヤーは柵やガラスパネルなどと同様に自動的に繋がります。逆に繋がって欲しくない場合もあったりしますが、その場合の対処法は後々紹介します。

通常の土や砂などの正立方体のブロックの上ならほぼ設置可能ですが、ガラスには乗せることは出来ません。また、横や天井には設置できませんし、基本的に水中では設置できません(水が流れると回路関連のパーツは流され、実世界でも涙が流れることになります)

なお、パウダーの設置する空間上にはタイマツやハシゴ、看板などは置く事はできません。

ガラス等の扱い

レッドストーンパウダーはガラスの上に設置できないと上に書きましたが、レッドストーン回路ではガラス、そして各半ブロック、階段など空間の空いているブロックは、空気と同じ扱いとなります。
普通の立方体のブロックの代わりに使わないようにしましょう。特記する場所はその都度書きますが、一応覚えておきて下さい。

垂直方向への設置

垂直(上下)方向は高さが1ブロックの段差のみ繋ぐことができます。下と上の両ブロックにパウダーを置くことで自動で繋がります。2ブロック以上の高さには繋がりません。


2ブロック以上の高低差を接続したい場合は階段状に這わす必要があります。最も少ないスペースで伝える場合は螺旋階段状にするのがスマートです(さらに小さい範囲で伝えるテクニックもありますが、それは第3回で紹介します)。

垂直方向で斜めに隣接している場合でも、空間が遮断されている場合は繋がりません。但し、ガラスなどは空気扱いなので遮断されていても繋がります(見た目では回路が切れているように見える場合があります)

回路の分岐と合流、指向性

ワイヤーは1本道ではなく、複数のワイヤーを絡ませることができます。分岐や合流はパウダーを置くだけで自動的に行われます。

この時に動力は繋がったワイヤー全てに広がります。ワイヤー上を流れる動力には指向性はありません。

線路と違って、そのままでは流れる方向を制御することは出来ませんが、次回紹介するレッドストーンリピーターで指向性を設けたり、論理回路によって流れる方向をコントロールすることもできます。


レッドストーン回路の制限と法則

距離 15ブロック制限

オンの状態は永遠にワイヤーを伝わるかというとそうではなく、動力源(スイッチやレッドストーントーチ)から15ブロックまでしか繋がりません。よく見ると、だんだん赤い光が弱くなっていくのが分かると思います。最後の光量はほぼオフと同じ暗さなので、ぼわぼわで判断するといいでしょう。16ブロック以降は、常にオフになります。

実質15ブロックでは困ることありまくりで、延長する方法ももちろんあります。それは次章の「回路の延長方法」にて紹介しますが、その前にこの15ブロックの数え方についていくつか解消しておくべき疑問点があります。


ブロックに高さがあると、見た目では縦に余分にワイヤーが設置されているように見えます。これはカウントされるのでしょうか?
……答えはカウントされません。15ブロック制限は水平方向にのみ適用されます。

次に、分岐した場合、合計15ブロックでオフになるのか、それともどちらも15ブロック分の長さになるのか、どちらでしょうか?
……答えは両方とも15ブロックの長さに伝えます。

最後に、合流した場合どうなるのでしょうか?合流地点に近いほうが優先になるのか、遠い方が優先になるのか。はたまた合計されるのか。
……答えはどちらでもありません。最初に動力が流れたほうが優先となります。実のところこれは仕様なのかバグなのか筆者には分かりません。なお、下図のように合流地点が変なことになります。


オン優先の法則

複数のレッドストーン回路が合流する場合、オンが優先となります。
例えば二つのレバースイッチを用意し、片方をオンにした場合、もう片方をいくら動かそうとも合流先はオンのままです。
オフの状態を伝えたい場合は、次回以降で紹介する論理回路を組み込む必要があります。

回路の実行距離

レッドストーン回路は、プレイヤーから約300ブロック程度以上離れると動作しなくなります。ほとんどの場合は意識する必要はありませんが、途中で停止されると困るような回路がある場合、例えば、出口に回路停止用の感圧板を置いておくなど、きちんと考慮しておく必要があります。

焼き切れ

回路を非常にすばやくオン、オフ切り替えると、プシューと嫌な音を立てて、回路そのものが動作しなくなります。これを「焼き切れる」と言います。感圧板の上でタップダンスを踊るような日常的な利用では問題ありませんが、回路がループ状になっていると、この現象が発生し易いです。
問題箇所を直して、動力を入れなおすと直ります。

遅延問題

レッドストーン回路は複雑になるほど処理に遅れ、いわゆる遅延が発生します。これについては詳しく次回紹介します。


回路の延長方法

先ほど書いたとおり動力は15ブロックで切れますが、レッドストーンリピーターという装置を用いて延長させることができます。リピーターを通過すると、さらに15ブロック分の動力を伝えることが出来ます。
なお、リピーターには指向性があります。よく見ると △ のマークが見えると思いますが、その方向にのみ動力が流れます。逆に設置すると動力は流れません。
(テクスチャによって三角マークが無いものもあるので、注意して下さい)

長い配線をする場合、いちいち15数えるのは非常に面倒なので、最初の場所にレバースイッチやレッドストーントーチなどの動力源を置き、常にオンの状態にしておき、ぼわぼわが無くなった場所にリピーターを設置するのが簡単でいいでしょう。
ぼわぼわが出ているワイヤーは削る必要は無く、消えている部分にリピーターを設置します。リピーターは動力が供給されていると赤く光ります。


前述の300ブロックの制限はありますが、その範囲内なら、100ブロック先、200ブロック先、余裕で繋ぐことが可能です。


スイッチから回路への接続

スクリーンショットのように、地面に直にスイッチを設置して、そこからワイヤーで機械に繋ぐ、というのは実際にあまりありません。レッドストーン回路はなるべく隠したいというのがほとんどだと思います。その場合に困るのがスイッチ(入力装置)から回路、そして回路から機械(出力装置)への接続です。後者は次章にて解説します。

まず、スイッチから回路への接続ですが、スイッチ自体の東西南北下 と スイッチの設置してあるブロック(以下、設置ブロック)の東西南北上下 に動力を伝達します(スイッチの上にはパウダーは設置不可。また、スイッチと設置ブロックは隣接関係なので互いの向きは除きます。)


なお、スイッチまたはスイッチの設置ブロックに、ワイヤーが直接接続されていなくても、隣接されていれば動力が伝わります。



回路から機械への接続

回路から機械への接続ですが、基本的に、機械自体の東西南北 と 機械に隣接しているブロック(以下、隣接ブロック)の東西南北上 から動力を入力します(スイッチ同様に機械もそれにパウダーを設置できないので上 及び、隣接するお互いの向きは除外)

ぱっと見、スイッチと同じと思うかも知れませんが、実は結構違います。そして、それが多くの初心者を悩ませます(無論、私も悩みました)
まず、下からは入力することができません。いくら真下にワイヤーを引いても機械は反応しません(真下から回路に繋げる方法もありますが、これは他の回路知識が必要なので次回紹介します)
スイッチではそのスイッチを設置しているブロックから動力を伝達しますが、機械の場合は基本的に設置の有無に関わらず隣接しているブロックに動力が来れば機械は動作します。(例えばドアの場合は、横のブロックに動力が来ても動きます。逆に、動かしたくない機械も動いてしまうような誤動作に繋がるので、きちんと意識しておきましょう。)
なお、例外があり、音ブロックはそのブロックに直接動力を伝える必要があります。


もう一つスイッチと違う点があり、機械または機械隣接ブロックには直接ワイヤーを接続させなくてはなりません。スイッチのように隣接させただけでは伝わりません。

ワイヤーの接続では隣接する機械とワイヤーでは、ワイヤーが優先されるので、往々にしてイライラすることになりますが、それを回避するテクニックは第3回で紹介します。


ワイヤーとスイッチは1ブロックを占めていると考えよう

ワイヤーは設置するブロックにくっ付いているので、その設置したブロックが回路と思われ勝ちですが、実質的にはそのブロックの上に薄いワイヤーブロックが乗っていると認識した方が分かりやすいです。線路と同じように考えるといいかと思います。

また、スイッチも、例えば押しボタンは、その押しているブロックに動力を伝えているだけと思い込み易いですが、前々章で書いたとおり、そのスイッチの四方と上下にも動力を伝えています。これを忘れていると、思わぬ不具合が生じてしまうことがあるので、よく覚えておきましょう。



機械がオンの状態かオフの状態かを見定めよう

機械によっては一目でその状態がオンなのかオフなのか分かるものと、分からないものがあります。例えばハッチやピストン、またブースターレールなどはオンの状態があからさまに分かります。

一方で、ドア(※)やトロッコのT字分岐など、どちらがオンなのか分からない場合があります。その場合は、その機械の隣にレッドストーントーチを実際に設置してみます。この場合はオンになります。トーチを除くとオフの状態に変わります。
(T字分岐は1ブロックだけワイヤーを設置する必要があります)


※初心者の方はドアは空いている状態がオン、閉まっている状態がオフと思われ勝ちですが、方向によってドアの開閉が異なるので、実際にはチェックが必要です。例えば南から北方向を見てドアが閉まっているように見えても、西から東方向に見た場合はドアは開いているので。

よくある両開きドアは、閉まっている状態に見えて、実は片方が開いた状態なのです。

ちなみに、覚えるならば、ブロックの手前側に設置している場合は、右側にノブがある時は閉まっており、左側にノブがある場合は開いている状態。ブロックの奥側に設置している場合は、その逆となります。


接続での注意とバグ

今回の実質的な最終章では、一番頭を痛くする接続の不具合について紹介します。

レッドストーン回路にはいくつかの明らかに動作がバグっているものや、表示が動作と異なる事があります。また、仕様なのかも知れませんが、組み合わせによって動作するものとしないものなど、いろいろ多岐に渡って注意することが存在します。

なお、レッドストーントーチとレッドストーンリピーターが登場しますが、これらの詳しい説明については次回にて解説を行います。

縦刺しトーチとの斜め接続時の動作不具合

レッドストーントーチを上に設置したブロックにワイヤーを接続する場合、そのブロックの斜めの場所を経由させると、トーチは動作しません。
なお、トーチをブロックの横に設置している場合は、問題なく動作します。

※トーチが消えているのが正しい現象

リピーターの表示不具合

レッドストーンリピーターの接続先ですが、ワイヤーを斜めの場所に置くと、接続が切れているように見えますが、実際は繋がっています。


トーチと隣接ブロック上ワイヤーとの表示不具合

レッドストーントーチの隣の上段にワイヤーを引いた接続例ですが、繋がっているように見えますが、実際は繋がっていません。これは動作上は正しいです。


縦刺しトーチとの1ブロック間隔接続バグ

これは確実にバグだと思うのですが、スイッチ設置ブロックとトーチ縦刺しブロックとの間が1ブロックの場合と、リピーターとトーチ縦刺しブロックとの間が1ブロックの場合、トーチが正しく機能しません。
その他、詳しくは次回で登場するのですが、レッドストーントーチの上やレッドストーンリピーターの前に設置して動力化したブロックが、このスイッチのある場所にあっても動作しません。
なお、間隔2ブロック、トーチ横刺しの場合は、問題なく動作します。


合流時の15ブロックの優先問題

今回の「レッドストーン回路の制限と法則」章の「距離 15ブロック制限」にて同じ事を書きましたが、合流する際に距離の15ブロック制限を受けるのは先に動力を流した方となります。


リピーターと機械との接続の挙動不一致

これは恐らく仕様に分類されると思うのですが、レッドストーンリピーターの特殊な接続方法で回路を繋げる場合、機械によって動作するものと動作しないものがあります。


その他、バグだったり仕様だったりで、見た目と反する場合があるので、挙動がおかしい場合は疑って掛かってみましょう。


Tips

回路の作成は小さい単位でトライ&エラーが基本です。
いきなり大きく回路を作って、いざ実行。 あれ?動かない、、、ではどこが原因か分かりません。

少し作っては、実際に動くかどうか確かめます。また回路が長い場合は、きとんと繋がっているかも確認が必要でしょう。次回から紹介する論理回路など、一つの論理回路が出来た段階でテストする方が無難です。

押しボタンなど、確認が面倒な場合は、暫定的に常にオンにできるレバーにしておくと便利です。また、一定範囲内の確認の場合は、スイッチの変わりにレッドストーントーチを置いても、それがスイッチのオン状態の代わりとなります。

また、機械が遠くて反応が分かりづらい場合は、これも暫定的に近くにピストンなどの分かりやすいものを置いておいてもいいでしょう。


参考

本特集記事を書くにあたり、下記のサイト/動画を参考にさせて頂きました。

Minecraft Wiki Japan - レッドストーン回路
Minecraft Wiki - Redstone circuits (英語)
赤石先生のレッドストーン回路解説 (ニコニコ動画)
Minecraft – redstone/switchを用いた回路構築
特集:レッドストーン回路解説
第1回導入:回路の作り方、制限と法則、スイッチ・機械との接続、注意点とバグ など
第2回基本と論理回路:レッドストーントーチ・リピーターの性質、論理回路の基本、NOT回路、OR回路、AND回路、機械との応用的な接続 など
第3回論理回路:NOR回路、NAND回路、XOR回路、IMP回路とその仲間、全入出力パターン、3つ以上の入力 など
第4回回路設計:逆流防止、交差、平行、水平・垂直のスイッチ機械の設置 など
第5回応用回路:パルサー回路、クロック回路、ラッチ回路、Tフリップフロップ など