論理回路や特殊な回路パターンも重要ですが、レッドストーン回路を実際に設置するにあたって、回路設計と同じくらい悩ませることになると言って過言でないのが、回路の設置です。
特にレッドストーン回路を隠したい場合や、設置する場所が狭い場合などは、かなり苦戦することが多いです。

今回は、その回路の設置について、いくつかテクニックを紹介します。

なお、紹介するのは一例で、他にもさまざまなパターンが存在します。本解説では、基本的に分かりやすさを優先して作っていますので、これより効率的なものがあるかも知れません。その辺りは予めご了承ください。

第4回 回路の逆流を防ぐ
回路を交差させる
回路を平行に設置する
垂直方向のコンパクトな設置
水平に隣接しているスイッチ/機械の入出力
垂直に隣接しているスイッチ/機械の入出力
レッドストーントーチに蓋をする際の焼ききれ防止
大きな論理回路を作り、遅延を少なくする
Tip

回路の逆流を防ぐ

レッドストーントーチとレッドストーンリピーターを使わない場合、ワイヤー自体には指向性がありませんので、偶に意図しない方向に動力が伝わることがあります。

その場合、逆流して欲しくない場所に、指向性があるレッドストーンリピーターを設置することで逆流を防ぐことが出来ます。



回路を交差させる

回路を交差させたい場合、通常の場合は最低でも高低差が2ブロックと、面積的にもやや広いスペースが必要となります。

レッドストーンリピーターのブロック透過性を用いることで、高低差1ブロックと省スペースで済ませることができます。
但し、遅延が若干生じてしまうので注意して下さい。



回路を平行に設置する

レッドストーンワイヤーは自動的にくっ付くので、ワイヤーを平行に設置しようとしても、図のように隣の線とくっ付いてしまいます。2ブロック以上離せば問題ありませんが、スペースが限られる場合は、そうも行かないことが多いです。以下の2通りの方法でなるべくコンパクトに設置可能です。


蓋付け段差版

1段の段差の場合でもワイヤーは自動的に繋がりますが、その斜めの繋がりが切れるようにブロック(但しガラスなどは空気扱いなので不可)を設置すると、幅2高さ2の範囲で、平行に引くことができます。
但し、メンテナンス性が下がるというデメリットがあります。


リピーター利用版

レッドストーンリピーターは指向性がある為、それを並べることで入出力部分さえ気をつければ、幅2高さ1の範囲で、平行に引くことができます。
但し、但しリピーターは遅延が発生するので、すぐに動力を伝えたい場合には向いていません。


入出力部分の工夫

前節で入出力部分をワイヤーにしてしまうと繋がってしまう為、気をつける、と書きましたが、この部分もさらに平行したい場合は、リピーターの透過性を用いることで可能です。

リピーターの前後のブロックは透過性にてワイヤーの挙動を見せますが、そのブロックと隣のブロック自体は接続しないので、回路を分離させることができます。


垂直方向のコンパクトな設置

レッドストーンワイヤーによる回路は垂直方向の場合は階段状に1段しか伝わりません。その為、垂直に長い場合でスペースを取りたくない場合、螺旋階段のようにして、回路を繋げる必要があります。

しかし、レッドストーントーチを用いることで小さなスペースで垂直に繋げることができます。下図のように、上方向へは1ブロックのみで、下方向へは2ブロックで繋ぐことができます。


但し注意が3点あります。
まず、接続する場所はトーチの刺さっているブロックです。トーチそのものではありません。
二点目はトーチの数が奇数の場合には回路のオンとオフが逆になります。その場合、右図のように、通常、右図のように最後のトーチをワイヤーに変えれば、元の状態を維持できます。
最後に、ワイヤーでの接続に比べて、大きく遅延が生じます。すぐに動力を伝えたい場合には向いていません。


水平に隣接しているスイッチ/機械の入出力

スイッチや機械(出力装置)が水平に隣接している場合、そのままワイヤーを引くと、ワイヤー同士がくっついてしまい、スイッチの分離や、機械への動力へ送ることができなくなります。

スイッチ

スイッチの設置ブロックから伸ばすようにレッドストーンリピーターを設置すると、スイッチの動力はリピーターに伝わります。前述の「回路を平行に設置する」のリピーター版の要領でいくらでも分離させることができます。



機械

機械はピストン(とブースターレール)のみ、スイッチと同様に隣接ブロックへのリピーターからの接続が可能です。いくらでも並べて設置することができます。


それ以外の機械の場合はリピーターからの接続が効かない為に、直接機械または機械隣接ブロックへ動力を接続させる必要があります。但し、大きさなどによってかなり制約があり、場合によっては完全に隠蔽することが出来ない場合もあります。



垂直に隣接しているスイッチ/機械の入出力

スイッチや機械が垂直に隣接している場合、ワイヤーを垂直に重ねることは出来ないので、かなり設置に制約がでます。

スイッチや機械の後ろの幅を複数使う複数幅版と、1ブロックしか使わずに回路を隠蔽する隠蔽版の2種類を紹介します。

複数幅版

機械の背面が複数幅の版では、垂直設置数の制約はありません。スイッチまたは機械の隣接ブロックに別の方向からワイヤーを接続します。

図では、3方向から接続していますが、2方向のみを交互に重ねても構いません。


隠蔽版

隠蔽版はかなり制約が出てしまうので、スイッチ、機械共に実質的に最大で高さ3ブロックとなります。

スイッチまたは回路が使うブロックを色分けしているので、必要なもののみご利用下さい。例えば、上と真ん中のみの場合は、緑色のブロックや回路は不要です(その場合は上の段を一段下げたり、下の段を一段上げることも可)

スイッチ

機械

機械の下の回路は1段下げなくても他の場所でNOT回路を入れれば動作します。
機械にレッドストーントーチを用いる場合は、次章の「レッドストーントーチに蓋をする際の焼ききれ防止」もご覧下さい。


レッドストーントーチに蓋をする際の焼ききれ防止

下図のように、レッドストーントーチの上にブロックを設置して回路を這わすことがあるかと思います。レッドストーントーチの項目にも書きましたが、トーチの真上のブロックはそれ自体が動力源になる性質があり、そのままでは無限ループになり、焼き切れてしまいます。

そこで、上に乗せるブロックを立方体の変わりに、ハーフブロックや階段にします。レッドストーン回路の世界ではハーフブロックは空気と同じ扱いなので、動力源にはなり得ず、無限ループにはなりません。



大きな論理回路を作り、遅延を少なくする

今まで紹介した回路は基本的に小さく設置できるように最適化されたものでした。しかし、必ずしも小さく設置することが回路全体にとって最適というわけではありません。

レッドストーントーチの間隔を大きく取ることによって、延長の為のレッドストーンリピーターを省略できることがあります。但し、本来は間隔をあけてはいけないトーチもあるので、注意して下さい。中級者以上向けのテクかと思います。



Tips

回路を設置し終え、その回路のある空間を隠した後に、あれ動かない。ということも多々あったりします。

回路を設置しているブロックを背後から壊してしまったり、高低差の段差を這わしている空間に別のブロックを置いて回路を切ってしまうことなど、よくあります。

また、ワイヤーやレッドストーントーチ、リピーター、スイッチなどを砂や砂利に設置してしまうと、それが崩れた際に一緒に壊れてしまうので、宙に浮くブロックの方がいいでしょう。

予め壊していけないブロックをモフモフなどに変えておいたり、閉じてはいけない段差の空間に予め回路は透過するガラスブロックを設置しておくなどを講じておいてもいいでしょう。

微妙なところは、数ブロック埋めてはテストを繰り返すといいでしょう。手間が掛かりますが、後々どこが間違っているのか分からなくなるよりマシです。
特集:レッドストーン回路解説
第1回導入:回路の作り方、制限と法則、スイッチ・機械との接続、注意点とバグ など
第2回基本と論理回路:レッドストーントーチ・リピーターの性質、論理回路の基本、NOT回路、OR回路、AND回路、機械との応用的な接続 など
第3回論理回路:NOR回路、NAND回路、XOR回路、IMP回路とその仲間、全入出力パターン、3つ以上の入力 など
第4回回路設計:逆流防止、交差、平行、水平・垂直のスイッチ機械の設置 など
第5回応用回路:パルサー回路、クロック回路、ラッチ回路、Tフリップフロップ など